スタートアップのアイディアに対する、「なぜ今までそれがなかったか」は大した問題ではない

 スタートアップや新規事業を試みたことのある人なら一度は投資家や上司などから
「なんで今までそれがなかったの?」
と自分のアイディアを詰められたことはあるのではないでしょうか?
 この質問自体はすごく正しくて、その明確な理由(アプリ事業のアイディアに対して、昔はスマホがなかった、等)があること自体は投資家や管理サイドの人を凄く安心させることができます。その一方で、新規事業を考える側としては、
「どのくらいの範囲までなら”スマホがなかった”って言えるの?」とか、
「どのくらいの事なら”面倒くさくてやりきる人がいなかった”って言えるの?」とか
真剣に考えると結構キリがなくて、質問にも明確に答えられないし、なんか悶々としてしまいます。これってそもそも真剣に議論するほど大事な部分なのでしょうか?
 先に答えを言ってしまうと、NOだと思います。スタートアップのアイディアに対する、「なぜ今までそれがなかったか」は大した問題ではありません。もっと大事なのはシンプルに「それが顧客にとって最も良いものであるかどうか」です。

・遅かれ早かれ”競合との戦い”は始まる
・過去のヒットサービスも”後発”が勝ってきた
・シンプルに「一番よいもの」が勝つ
・「なぜ今までそれがなかったか」なんかより、「本当にそれが良いものか」を考えたい

遅かれ早かれ競合との戦いは始まる

 時代の変化に乗じて例えばipadが出た瞬間にipadをコアなバリューとしたサービスを作ったとします。そのサービスは出た当初は騒がれて、結構なスピードで成長していきます。ある程度まで行くと結構有名になってメディア露出が増えます。そうするとそういった独特なサービスでも大手企業で内部の承認が取りやすくなります。そして1~2年くらいたつと、国内での大資本が参入してきてガチンコバトルが始まります。
 アメリカを中心に大ヒットした初期のfacebookもアメリカではほぼ一人勝ち状態目前まで来ます。その一方でドイツや中国で完全に同じようなサービスが出現します。リリース4~5年後でもより広げるためには常に”真似サービス”との戦いが待っています。しかも中国では実際にそれに負けてたりする。(グレート・ファイアウォールの存在のおかげだと思われますが・・・)
 そういったときに大事なのは「今までそれがない理由が説明できる」ことなんかより、”ユーザーにとって最も良いものが作れていること”になるのは当然の話です。

過去のヒットサービスも”後発”が勝ってきた

上記の例で出したfacebookは後発との勝負も有りましたが、先発との勝負にも同様に勝っていました。my spaceやfriend star、そしてgoogleのorcut(?)なんかも確かその事例だったような気がします。他にもdropbox,tumblr,line,等、どれをとっても大して流行ってないだけで、どれも同じマーケットでの先行事例は十分にあるような気がします。後発だろうが先発だろうが、勝たなきゃいけない勝負に勝てる何かがあるチームやサービスが勝つというある種とてもシンプルなゲームですね。

「なぜ今までそれがなかったか」なんかより、「本当にそれが良いものか」を考えたい

ということで大事なのは「それが本当に良いものかどうか」だし、逆にそれを考えると何をやっても先行事例が見つかるんじゃないかというのが最近の仮説です。ついつい「あれはまだない」とか考えてしまいますが、”まだない”とかは相当危険信号で、ベストなのは多分「あるけどまだ不十分」なところに食い込むことだと思われます。

ちなみにこの話のからくりは、「なぜ今までそれがなかったか」を考える代わりに「最も良いもの」を考える必要があるところにあります。どっちも簡単ではないですが、プロダクトを作る側としては「最も良いもの」を考えるほうが圧倒的に意欲が湧くし、とっかかりやすいはず。「なぜ今までそれがなかったか」を考えると世の中の変化ばかり考えて、なんか投資家的になってしまいます。
 これは個人的に気をつけたいことですが、投資家と起業家は目指すものはある種同じだったとしてもやっていることは完全に別だと思われます。彼らに言われたことをそのまま考えるのではなく、こっちはこっちで考えるべきことがある、ことは強く意識していきたいところ。

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