1000回の試み。

1/1000の確率でしか当たらないような、大きい試みを、「そんなの当たるわけがない」と馬鹿にする人と、「次は行けるはず」と本当に1000回試す人がいるとする。

後者が1000回試すまでの期間は、若干前者のほうが前に進んでいるように見える。着実な道を選んでいるからだ。

ただ、後者が本当に1000回試した時点で、後者は前者に1000回分の試行錯誤の差を付けて圧勝することになる。その差は、前者のわずかな積み重ねによる優位を圧倒的に凌駕する。

それに気付いた前者が後者に追いつくためには、その時点から「少なくとも」1000回の試みを行う必要がある。
「少なくとも」と書いたのは、その両者の差を埋めるために、実際は多分1000回の試行錯誤では足りなくなってしまうと考えたからだ。

1回でも当てた人には機会もお金も信用も実力も、何もかもが集中する。だから、次の勝負では100回に1回くらいの確率で当てられるようになる。そうすると後者は前者の10倍のスピードで前に進むことができるようになっている。前者がそれに追いつくには、1000回では済まないような数の試行錯誤が必要となってしまう。

この「前者」と「後者」を比べるときに、「他人」と「自分」で比較してはいけない。「試さなかった自分」と「試した自分」で比較しなければならない。

偉大な挑戦者の心理は、「挑戦すればこんな良いものが得られるはずだ!」というお気楽なものではない。きっと、「挑戦しなければ置いて行かれる!」という必死な焦燥なはずだ。